2013-12-11

大森靖子『絶対少女』

@oomoriseiko 大森靖子'14 13/12/11発売
靖子ちゃんのセカンド・アルバム『絶対少女』を聴いた。
http://itunes.apple.com/jp/album/jue-dui-shao-nu/id765473264

CDで欲しいなと思っていたけど、発売日にまた公式の全曲解説を読んでたら、
これは待ってられないと思ってまたiTunes Storeで買ってしまいました。
オーストラリアにいても日本のアルバムがパソコンで買えるなんてほんとに便利なもんですね。

初聴で今年いちばんすごいと思ったアルバムだったので、
これはあとあと自分が見返して恥ずかしい想いをしたいわということで感想を書こうと。
聴いてない人は読まないでね♥
というのは冗談だけど、わたしはすごくいいアルバムだと思う。
ああ、こんな感想なんて書けないのかもと思ってきた。

気を確かに気長に書くことにします。

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あたしは全曲解説を読んでから全曲聴いたからそのせいもあるだろうけど、
さっそく1曲目の「絶対少女」の1音目で勝手にあっこれって。
http://okamabu.tumblr.com/post/69548146548
『「私なんかが何やっても」みたいな気持ちまるごとダサかった』
って言ってたのがあたしの中でEDMっぽいのと繋がったというか
全然思ってなかった音だったから最初はちょっと驚いたけど、普通に聴けたて、
2周目以降はあーEDMっぽいのもやっぱりいい曲はいいんだなと真剣に思った。
直枝さんの言うようにキョートなディスコチューンだ、どっかのDJがクラブで流しているのを想像してしまった。ディスコか。ディスコキラー。中毒性のある楽曲だ。

それと同時に9日に公開になったこのアルバム2曲目からのMV「ミッドナイト清純異性交遊」をYoutubeで見た時点で来来来チームとやっていたバンドものとは違って音は完全にぶりっぶりのEDM?だったのに、
あたしの意識は完全に映像にいっていたんだなとそこにも驚いた。
良い悪いとかじゃなくて偏ってみてるとすごいなって、視覚と聴覚の関係は。
そもそも自分の中で違和感を感じなかったということがある。
MVはカッコ良かったけどあたしはそこまでぐっとこなかった、今は。音源ばっかり聞いてたから実は3回くらいしか見てないし。
これはモーニング娘。の道重さゆみの為の曲であることは知っていたけど、
あたしはモーニング娘。も通ってきてないし道重さゆみというひとに関しては全く何も知らない。
でも同性だったら似たもの好きで、異性は自分に無いものを持ってる人が好きって昔の誰かの言葉みたいなのを結構信じちゃってる節があるあたしは、このふたりはもしかして似ているんじゃないかと思っている。
それにしても解説にあるサンリオのノート1冊分道重さゆみの魅力を書き出しからのくだりなんて、本当に尋常ならざる愛を感じる。

全曲解説ではプロデュースをした直枝政広さんは通しで各曲にわりとシンプルなコメントを寄せているが、靖子ちゃんはと言うと言いたいことが溢れてくると言わんばかりに、溢れている。
だから聴いたけどまだ読んでない人も読むといいと思います。

それから公式ブログの12/10「世界よこれでもくらえ」にもこのアルバムに関して書いてて、こちらもなかなか過激です、読むといいと思います。

3曲目の「エンドレスダンス」まで来たあたりようやくというかプロデューサーという存在の大きさを知った。
恥ずかしながらよくバンドのアルバムなどで「〜をプロデュースに迎えた」とかいうフレーズを聞いてもプロデューサーが実際何をしてるのかさっぱりわかっていなかったが、
こういうのもプロデュースっていうんだと感心した。
今更ながら目からウロコで、人と人のつながりってすごいなと改めて思った。

5曲目「Over The Party」になって、最初の衝撃と一緒に、しかしそれと反するように、
あ、あたしの知ってる大森靖子だと思った。すさまじいサウンドだ。
「Over 30 おばさん / 進化する豚」の鷲掴み破壊力たるや。ノイズもビンビン。
6曲目「少女3号」のタイトルはTheピーズの「実験4号」に由来するタイトルらしいが、あたしは知らなくて最初にJUDY AND MARYの「くじら12号」が頭に浮かんできた。

そして8曲目の「PS」で次の衝撃が待っている。
これはでかい音は出ないから安心してイヤホンでもヘッドホンの音量をいっぱいにあげて聴くのが最高だと思う。
生の大森靖子がそこいて、しかも声や息遣いや空気感だけじゃないものまで含んでいる。
囁くような鋭いトレブルが鼓膜に突き刺さってくるし、耳は痛くないのに大変だ。
これも直枝さんがこだわったアナログ録音のたまものなのでしょうか。
エンジニアはGok Soundの近藤祥昭さんと原真人さんだそうです、もちろん知らないですが、職人仕事みたいのはいつでもあたしを感動させます。
9曲目「hayatochiri」10曲目「W」のオーバーダブも美しい。

11曲目「展覧会の絵」
そんなにライヴ観たこと無いけどこの曲はなんだか多く耳にしていた気がしていた曲。
これはピンクトカレフでも聴くいわゆる生楽器のバンドサウンドだけど、ライヴとは違う、これはすごい録音だと思う。ライヴじゃないけどライヴでそれがちゃんとレコーディングされてまとまっているというか、はい、あたしにはうまく言えません。

12曲目「青い部屋」は唯一のピアノ弾き語りだけど、あたしはピアノ弾き語りを観たことが無くて、でもアルバム終盤のこのあたりでは既にああ、完全に大森靖子だってなっている。この詞でこのメロディはすごい。
できるだけすごいとか使わないようにしてみてもダメね。ピアノ見てみたい。

『それ!それ! それそれそれ! あれ!あれ! あれそれどれ?!
それ!それ! それがどれのことかわーかんなーいー』

やっぱり14曲目「君と映画」は直枝さんがサウンドデモをつくったそう。
これも耳慣れた曲だったけど、仰るとおりこのアルバムではとってもポップでキャッチーに仕上がっている。とっても素敵です。『君と映画 君と漫画』ってうたうところとか、イントロも。

『何年たっても映画を見るとき手をつないで感動したい』

ついに最後の15曲目。すごいボリューム〜。
これだけの曲を15曲もってとんでもないとこだと思います。
最後は靖子ちゃんがハロプロの中で一番好きだというタンポポの「I&YOU&I&YOU&I」のカバー。またももちろん原曲は知らないけど、同じく知らない人も大森靖子の曲と言われたらそう思ってしまうと思う、誰しも思うだろうけど。
そんなことよりこの愛の曲でアルバムが締めくくられていて、あたしはとても嬉しい。

『、とにかく全ての女の子を肯定したいと思いました。わたしはずっと普通の女の子になりたかった、だから私は全員の女の子になろうと思いました。』
これは「アルバム「絶対少女」寄せて」からの一節。

『私は、私が死んだあとに私の音楽がどうなろうと、全く興味が無い、音源っていうものへの執着がまるでなくて、むしろ、既に過去になってしまったものがCDにパッキングされていつまでも売られるということに恐怖すら感じている』
これは「W」の曲解説(靖子ちゃんの曲解説は必ずしもその曲だけの解説という感じでは無いけど)の一節。4曲目「あまい」の解説でも『大森靖子は完全に「今でしょ」タイプのダガツガツした人間』と言っている。

ここまできっぱりと音源への無執着を言われても面白いくらい納得してしまうのが、
あたしの中での大森靖子という人で、イメージでは坂口恭平と似ていてその人特有の、
大森靖子が大森靖子で存在することのズバ抜けた説得力がある。
「アイドル」との関係性にしても、強い自分と弱い自分にしても、もちろん恋愛にしても、
いろいろ矛盾してそうなのにそうじゃないのはそこに嘘がないからだと思う。
はっきり言って今も昔も嘘っぽい音楽がいっぱいある中で、大森靖子のやりたいこには嘘がなくて、思ったことはなんでも言っちゃうし。
説得力も説得される方の聴き手側によってそれぞれだろうから、そりゃあアンチだって生まれるだろうし、いろいろ違ったそれぞれのやり方で嘘な無い良い音楽をやってる人たちはたくさんいるけど。

「嘘」って何って言われても。

少なくとも大森靖子は敵をつくりたくて大森靖子でいるわけではないし、
大森靖子でいることで自然といろんなものと戦わざるを得ないんだと思う。
それが大森靖子の『今でしょ』の刹那感を孕んだ生き方だろうから。
同じ87年生まれというのもなんか嬉しいし、これからも最期まで大森靖子をしてほしいです。


あー疲れたけど、スッキリした。

またお得意の加筆、訂正が入るかもしれないですが、ご愛嬌というこで。
こんなに1枚のアルバムを通しで聴き続けたのは久しぶりです。
とにかく、大森靖子セカンドアルバム「絶対少女」はすごいアルバムでした。

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